世界的にみてもなかなか収穫できない珍しい食材は、独創的かつユニークな調理方法で料理に華を添えようとする料理人にとっては必需アイテムですよね。それぞれのレアな食材は、それぞれの独特な風味と性質を持っており、料理の味わいを幅広く引き出してくれます。手に入れるだけで苦労する食材ではありますが、その価値は十分にあるのです。
1)黒にんにく
黒にんにくは、通常のにんにくから作られますが、色がより濃くて、粘りが強く出ます。これは「メイラード反応」と呼ばれるもので、低温かつ多湿の環境下で長期間保存することにより、にんにくの色が変化します。この過程を経ることで、にんにく独特のキツい風味はほとんどなくなり、より繊細な風味へと変わっていきます。その結果、黒にんにくは甘みが強く、豚肉や玉ねぎのカリッとした食感を思わせるような強い旨味を出してくれるのです。
2)ダチョウの卵
ダチョウの卵は、鳥類の中で最も大きいため、調理が難しいとされています。一般的な鶏卵と比べて、なんと20倍近いデカさなので、もしダチョウの卵を調理するのであれば、お腹が空きまくった人たちと一緒に食べるといいでしょう(笑)。また、ダチョウの卵は鶏卵よりも甘みが強く出ます。普通の卵と同じように調理することもできますが、その大きさが故にバリエーションが少し限られます。
3)アナトー
アナトーとは、アメリカ大陸、特にカリブ海とメキシコが原産で、ベニオキの種子や木の実から採れるペーストや粉末のことです。本場メキシコでは、染料や防虫剤など、さまざまな用途に使われています。食用としては、肉や鶏肉、魚のスパイス、着色料として使用されます。真っ赤な色をしているアナトーは、匂いを嗅ぐとコショウのような香りがしますが、口に入れると意外にもマイルドな味わいが広がります。コショウの香りはそのまま残しつつ、ナッツや土の香り、そしてやや甘みを感じることができる食材です。
4)コチュジャン
コチュジャンは、韓国発祥の濃厚なソースで、さまざまな料理に使用することができます。かなり濃厚なため、他の調味料と組み合わせてソースにしたり、肉料理の味付けに使ったりすることが多いです。また、味のバリエーションも豊富で、特に辛さが特徴ですが、ただ辛いだけでなく、肉の旨み、塩気、そしてほのかな甘みも感じられます。ただし、コチュジャンを一から作るとなると、半年間天日で寝かせるという工程があるため、完成までに時間がかかりますが、今ではスーパーに行けば、既製品でも美味しいものがたくさんあるのでご安心ください。
5)チェリモヤ
チェリモヤは、繊細で甘いトロピカルフルーツで、今回のリストでは最も入手困難かもしれません。寒冷と暑熱に弱いという性質上、少なくとも日本国内での栽培は難しいでしょう。柔らかく滑らかなテクスチャーなので、アイスクリームのようにスプーンですくって食べることができます。例えるなら、バナナ、イチゴ、マンゴーを混ぜたような味ですが、まったく違うフルーツの味がすると感じる人も多いです。